人々は今、何を欲しがっているのか。次はどんなものを求めようとするのか……。
ビジネスをしているのであれば、常に消費者のニーズをつかもうとするし、その変化に敏感になります。
誰よりも先にそうした消費者のニーズをつかむことができれば、ビジネスは成功すると思われています。
消費者は気まぐれだから、ニーズは変わる。それを先取りしなければ、生き残ることができない……。こうした言説は一理ありますが、真実とは言えません。
消費者は、いつでも「安くていいもの」を求めています。それは、一点の曇りもない真実です。その意味では、ニーズは不変です。
ニーズが変わっているように見えてしまうのには、理由があります。それは、たくさんあるからです。
たくさんあるから、そのときどきによって、あるニーズが表面化したり、また別の局面では違うニーズが先鋭化したりします。
それなのに、ビジネスをする側が「今はこれだ」「次はこれだ」と、消費者ニーズは1つだけと決めてかかっています。ニーズはたくさんある。これが、もう1つの真実です。
たくさんあるのに1つしかないと思っているから、本当は変わっていないのに、コロコロ変化しているように見える。そのニーズをいち早くとらえようとして、勝手に疲弊している……。
それが、ビジネスの現場にいる人の実態です。1つと決めるから、「今度はこれでいこう」「次はこれでいこう」と、ブレまくっていきます。
ニーズは、たくさんあります。そのどれを追求するのかは、まさにビジネスをする側が選んでいくことです。1つに決めることもないし、2つ、3つのニーズを同時に追求してもいいです。
食費をなるべく切り詰めたいと思っている人でも、たまには豪華な食事をしたくなるものです。
それはどちらもその人のニーズで、なんの違和感もなく並立しています。安い食事をしていた人が豪華な食事をするようになったのを見て、低価格で提供していたお店が、「これからは高級志向だ」と路線を変更したら、失敗します。ニーズが1つしかない人なんていません。
ニーズはたくさんある。それに気づけば、ニーズをいたずらに先読みしたり、ムリに1つのことを追求したりすることもなくなります。どのニーズに応えようとするのかが決まれば、ビジネスのやり方も自ずとハッキリしていきます。
(朝の独り言☆)
今日は診療後、武蔵野学院大学准教授の吉井先生とコミュニケーションについて、3時間ほど話をしました。秋から開催されるビジネスコミュニケーションの講座は、とても興味深く、価値ある内容でした。とても楽しみです。人生は、常に学び、実践、成長です。今日は、兄からケーキをもらいました。こだわりの人ですので、さすがに美味しかったです。