
組織が大きくなればなるほど、意思決定に時間がかかるようになります。また合意を得ることが難しくなってきます。
会議を開いても、意見が対立したり議論が平行線をたどったりして、なかなか前に進みません。小田原評定のようなことは、どこでも起こっています。
関係各方面の合意をスムーズに得られるように行うのが、根回しです。反対意見を持つ人や「そんな話を聞いていない」とへそを曲げている人の間を行ったり来たりして、水面下でうまく合意を得られるようにする……。
いかにも日本的な慣行ですが、今でも割と行われています。もしかしたら、あなたもその1人かもしれません。
根回しをするのは、悪いことではありません。それによって合意が得られ意思決定できるのですから、あってしかるべきです。
それなのにいいイメージが持たれていないのは、足して2で割るような妥協をしているからです。あるいは根回ししている人が水面下でコソコソやっていて、腹黒く見えるからです。
そもそも根回しは合意を得て、ものごとを先に進めるためにするものです。いくら合意を得たとしても、妥協するようではいい根回しとは言えません。
いい根回しとは、ベストに近いベターな案で合意を得るようにすることです。そのために関係各方面を回って歩くのだとしたら、それは必要なことであり積極的に行うべきです。
いい根回しをするためには、まず関係各方面が納得するベターな案を提案すること。これができれば9割うまくいったと言えます。
その次に関係各方面に「これでいかかでしょうか」と打診していきます。そこで了承をもらえれば、あとはスムーズに行きます。
このとき大事なことは、修正するにあたって全権委任を取りつけること。個別の要望を反映させるために、多少の軌道修正をすることがあります。
そのときいちいち了承を取りつけていたら、時間がかかって仕方ありません。「これでいきますが、あとは私に任せていただけますね?」と言って引き取れば、スムーズにいきます。
スムーズに意思決定できれば、根回しをしたかいがあるというものです。根回しは意思決定するためのもの。それがうまくできるのは、力量と人望がある人です。
(朝の独り言☆)
大阪の歯科医師、武藤先生が癌で亡くなりました。お会いしたことありませんでしたが、応援していたので残念です。心からご冥福をお祈りいたします。