組織の中にいると、同じ考え方や同じ好みの人と、不思議と行動をともにするようになります。
まさに類は友を呼びます。こういうタイプとは、「相性がいい」ということになります。
これだけを基準にして、人間関係を形成するのは悪いわけではないですが、さりとていいことでもありません。特に組織において、それが高じると、いわゆる派閥になりかねません。
派閥が組織活性化につながることは「ない」とは言いませんが、弊害のほうが多いものです。同じ考えや好みを持つ者同士だと、慣れ合いになりがちです。
選択や行動が画一化してしまいます。やはり相性だけで人間関係を形成するのは、限界があります。
ほかに基準にするものは、実はたくさんあります。その1つが、「成長」です。
相手も自分も成長することを第1とする――。これであれば、相性がそれほどよくない人とも、人間関係を形成することができます。
むしろ相性がいい人と一緒にいるよりは、よほど刺激があります。考え方が違うのですから、選択も行動も相容れない部分は出てきます。
「そうじゃないよ」
相手を突き放してしまったら、お互いに何も得るものがありません。お互いに成長する機会を逃します。
「どうしてそう考えるの?」
相手の考え方や思考のプロセスを前提条件なしに聞いていくと、自分の考え方にモレやヌケがあることに気づかされます。
そのうえで「こういう考え方はどうだろう?」と、自分の思考の領域を広げていきます。
相手も「こう考えたほうがいいかもしれない」と、思考の領域を広げていきます。
お互いに考え方の幅を拡大していきます。相性がいい同士では、なかなかここまではできません。
成長をキーワードにしていれば、どんな人とも、それこそ考え方が180度違う人とも人間関係を形成することができます。
思考領域が広がって、自分の想像以上の成長と成果を得ることも可能です。
(朝の独り言☆)
明日から島根に行きます。松江での講演ですが、台風が来ているようで心配です。