どんなことにも当てはまりますが、やればやるほどできるようになるし、またうまくいくようになります。やった回数と成功や上達は比例すると言っても、過言ではありません。
もちろん、上達すれば百発百中ということはないです。「弘法も筆の誤り」「上手の手から水が漏れる」の言葉どおり、どんな名人でもたまには失敗します。
名人の成功する確率は、100%ではありません。それでも99%とか99・9%とかまで高めることは可能です。
「100%はない」のだから、ホドホドでいい……。そう考える人がいたとしたら、傲慢です。
それはたんに努力の放棄であり行動不足です。100%は不可能だとしても、それを目指して限りなく近づこうとするから、できるようになるし、うまくいくようになるのです。
おそくら空海も、またどんな名人も同じように考えていたはずです。
少なくとも言えるのは、数をこなせばこなすほど、できるようになったり、うまくなったりする確率が高くなることです。これは、どんなことにも言えます。
たとえば、始めた当初はうまくいく確率が30%だとします。それだと、10回やれば3回はうまくいくということです。この程度だと、残念ながら、「できた」とか「うまい」とはお世辞にも言えません。
「これ以上やっても上達しないかな」というあきらめの気持ちがチラつく人もいそうです。
それでも、やり続けていれば、確率が30%のままということもありません。回数を重ねていくほどに、うまくなるコツがつかめるようになります。それがどのタイミングで来るのかは、人それぞれです。
何回も何回も、それこそ数え切れないくらいにやっていくと、確率が徐々に上がってきます。10回やったら、5回か6回はうまくいくようになります。さらに続けていくと、10回やって7回か8回はうまくいくようになってきます。
うまくいく人は、最初から器用にかつ上手にこなせたわけではありません。うまくいくまでやり続けた人です。
やればやるほどできるようになったりうまくいったりする――。これを「精度を高める」と言います。