「何がなんでも勝つ!」「必ず優勝します!」「1位にならなければ意味がない」……
仕事でも勉強でもスポーツでも、常に自分自身が一番でなければ気が済まない人がいます。いわゆる「負けず嫌い」です。
こういう人は、実際に結果を出すことが多いものです。また自分が勝つ優勝する1位になることを公言して憚りません。その意味では、有言実行です。
公言するから結果を出すのか、結果を出すから公言するのか……。まるでニワトリと卵のような関係にあります。
いずれにせよ、結果を出すのは、さすがです。だからと言って、負けず嫌いがいいということもありません。
むしろ結果至上主義になって、自滅する恐れもあります。たとえば、勝つために手段を選ばなくなる。優勝するために自分を追い込んで燃え尽き症候群になってしまう。1位になれないと、自分自身を否定するようになる……。
負けず嫌いの人は、この道をたどりがちです。誰かに負けるのを怖がったりイヤがったりします。誰も永遠に勝ち続けることはできないのに、結果至上主義になると、その矛盾を追求するあまり、必要以上に苦しむことになります。
そもそも負けず嫌いとは、他人に負けるのが怖いとかイヤがることではありません。
自分自身に負けないこと――。それが、本当の負けず嫌いです。
自分自身とは、昨日までの自分だったり、あきらめかけている自分、あるいは逃げようとしている自分、言い訳している自分、ダラダラしている自分だったりします。
その対象はいくつもあります。状況によって、このような成長を妨げる存在が自分の中から現れ、あなたを負けさせようとします。
そういう自分自身の足を引っ張る、もう1人の自分に負けないこと。そういう人が、正しい「負けず嫌い」です。
誰かに勝つとか負けるのは、些末なことであり、一種の結果論です。誰もが成長の足を引っ張るもう1人の自分に勝たなければなりません。誰もが負けず嫌いでなければならないのです。
あなたは今日、負けず嫌いでいられましたか。成長の足を引っ張るもう1人の自分に勝つことができましたか?