何をやるにしても、結果というものは、「出ない」より「出る」ほうがいいに決まっています。だからと言って、結果が出れば「万々歳」ということにもなりません。
「結果オーライ」という言い方があります。これは、「結果が出たのだから、途中のプロセスなどに不都合があっても、とやかく言わない」というとても雑な考え方です。
この考え方に立つ限り、次も続けて結果を出すことは難くなります。なぜなら結果を出すための行動や努力、あるいはプロセスづくりを疎かにしているから……。
この人は、「結果が出たこと」に満足しています。本当は出るはずのない結果が出てしまったから、「ラッキーだ!」と、想定外の喜びに浸ってしまっています。
そもそも「結果オーライ」にしてしまうのは、最初から「うまくいくはずがない」と思っていた証拠です。棚ボタだと分かっているがゆえに、満足してしまうとも言えます。
それなりの行動や努力もしたし、プロセスもつくったけど、結果を出すには「質も量も圧倒的に足りない」という自覚はあったのに、思いがけずうまくいってしまったがために、途中のことを不問にしてしまいます。一種の浮かれた状態にあります。
出た結果は、あくまでも「たまたま」です。もしくは「まぐれ」です。
それまでの行動や努力、プロセスづくりは不十分なのですから、再現性がありません。次に同じことをしても、うまくいかないのは確実です。「100%うまくいかない」と、断言できます。
想定外の結果とは、本来もらえるはずのないお年玉のようなものです。「ラッキーだ」と全額使ってしまうのが、結果オーライ。もし本当に結果を出したいのであれば、「貯金しよう」とか「親に預かってもらおう」と考えて実践します。
それを別の言葉で言うと、するべき行動や努力を強化し、プロセスづくりを徹底すること。本来は結果が出ても出なくてもしなければならないことなのに、中途半端にうまくいってしまうと、おざなりにしがちです。
とは言え、しなければならないことですから、たゆまずに続けていけば、いずれうまくいくようになります。今度は出るべくして出た結果なので、感慨もひとしおです。
そのとき「結果オーライでいい」と思うようでは、進歩がありません。するべきなのは、さらに結果を出すための行動・努力の強化であり、プロセスづくりです。