注文が殺到して、うれしい悲鳴を上げている――。商売をしているのであれば、いつもこういう状態でいたいものです。
「大変になるだけだから、もうこれ以上注文は来なくていいよ」
照れ隠しならともかく、こんなことを言うようなら、商売をする資格はありません。
そんな尊大な気持ちでいたら、客のほうが反感を持ちます。遠からず、望みどおりに注文がゼロになる日がやって来ます。
やはり閑古鳥が鳴くよりは行列が途絶えないくらい賑わっているほうが、やっているほうも張り合いがあります。待ってくれるお客様のためにも、「いいものをつくろう」
という気にもなります。
「日本人は行列が好き」とよく言われます。それは、「並ぶのが好き」だからではありません。
好きなのは、「賑わい」です。賑わっているところに行くのが好きだから、2時間や3時間くらい並ぶことも躊躇しません。
賑わいとは、場が活性化していることです。別の言葉で言えば、場にエネルギーがあふれていること。
そのエネルギーを体感したいから、行列を見ると、つい並びたくなってしまいます。エネルギーの引き寄せが、賑わいや行列を生みます。
なぜ賑わっているところにエネルギーがあふれるようになるのかと言うと、理由があります。それは、スタッフの人たちが「好きなことを楽しんでやっている」から。
その仕事が好きで、どんなに大変でも、やっているのが楽しいから、スタッフはイキイキしています。そういう人たちばかりいれば、エネルギーが充満するに決まっています。
最初のうちは客がいなくても、エネルギーが四方八方にあふれ出して、「あそこに行くと、面白そう」と敏感にキャッチする人を引き寄せます。そういう人がドンドン増えていって、場が活性化し、やがては行列ができるほどになります。
その始まりはスタッフの「好きなことを楽しんでやっている」純粋な気持ちです。賑わいの正体は、シンプルなものです。
あなたは今日、好きなことを楽しんでやっていましたか。あなたの属する場は、エネルギーがあふれるほど活性化していましたか?