「見た!」と言う人があまりにも少ないので、実在するかどうか分からないものがたくさんあります。その1つが、「チャンスの扉」です。
チャンスには、扉があります。それを開けて、飛び込んだ人はチャンスをつかむことができます。
もっとも、その扉にはどこにも「チャンス」と明記されていません。前を通る人はたくさんいますが、そのほとんどは「なんの扉」なのか分からないので、スルーしてしまいます。まことにもったいないことです。
100人中1人くらいは、なんの扉だか分からなくても、どうやって開けたらいいか考えたりします。とは言え、カンタンには開きません。
扉の上から下まで、微に入り細を穿って、ようやく開け方が分かったとしても、そこから先に何が待っているかは不明です。「面白そうだ。入ってみよう」と思うのは、さらに100人に1人くらいになります。
つまり、チャンスの扉を前にしても実際に開けて飛び込むのは、10000人に1人しかいないということです。それが、チャンスをつかむ人の実態です。
多くの人は、チャンスの扉の前を自由に行き来しています。せっかく前を通っていても関心を示さずに、堂々とスルーしてしまう……。それが、チャンスをつかめない人です。
この人たちは、最初からチャンスを与えられていないわけではありません。目の前にあるのに気づかない、もしくは関心を持とうとしないだけです。
それなのに、「自分にはチャンスが与えられていない」と、不平不満を言ったりグチをこぼしたりしています。まったくおかしなことです。
チャンスの扉は、誰にとっても近くにあります。あまりにも近くにあるので、「こんなものはチャンスの扉ではないよ」と気にも留めない人がほとんどです。
ごくまれに「これはなんだろう?」と興味を示して、平然と飛び込む人がいます。それが、チャンスをつかむ人。
チャンスをつかむ人とつかめない人の違いは、先天的なものではありません。また能力やキャリアといったものとも無関係です。
目の前にあるチャンスに気づくか気づかないか……。その程度の差しかありません。