「こんなこともできるんだ!」「こんなにうまくできるなんて!」「やってみるもんだよな」……
自分に意外なポテンシャルがあることに気づくケースには、たいていある傾向が見られます。それは、これまでまったく経験がないことをやったとき。
初めてのことをするときは勝手が分からず難儀するものです。できるかどうかも分からないので、緊張したりもします。
「できるかな?」「大丈夫かな?」「うまくいくかな?」……
そんな不安な気持ちを抱えながらも、実際にやってみるとスムーズにいくことは十分にあり得ます。もちろん、それが「ビギナーズ・ラック」である可能性も否定はできませんが……。
経験がないから、自分が培ってきた知識、スキルを総動員しながら、最後は「こうやるんじゃないかな?」というカンだけを頼りにやっていきます。すると、不思議とできてしまいます。
それは、あなた自身が自分の新たな可能性の扉を開けた瞬間。言い換えれば、まだ知らないでいた自分の魅力を発見した瞬間です。
自分のことは一番よく分かっている……。得てして人はそう思いたがりますが、そんなことはありません。
「灯台下暗し」で、自分自身が一番分かっていないものです。特に自分のポテンシャルについては、無頓着と言っても過言ではありません。
長く生きていれば、自分は「こういうことができる」と、ある程度は把握しています。とは言え、ポテンシャルについてはまったく把握できずにいます。残念ながら、自分のポテンシャルに気づかずにいる人は少なくありません。
そのポテンシャルと出合えるのが、初めてのことをするときです。
やってみて、自分の中の眠っていたポテンシャルが引き出されて、「こういうこともできるんだ」と気づけば、さらに成長していくし、ポテンシャルが開花していきます。こんなにうれしいことがほかにあるでしょうか。
新しいことをするときは、自分のポテンシャルを掘り起こすとき――。そんなふうにとらえれば、必然的に「食わず嫌い」がなくなっていきます。