ものごとをうまく成し遂げるためにやったほうがいいことは、たくさんあります。その1つが、「プロセスを簡素化する」こと。
簡素化すると言うと、「省く」ことと誤解する人がいます。当たり前ですが、両者はまったく異なるものです。
後者は、プロセスを必要以上に少なくすることです。覚えやすくなるし、短時間でできるようになるメリットは、確かにあります。
もちろん、デメリットもあります。むしろそちらのほうが大きいです。
本来は必要なプロセスまでカットしたりするので、得られる効果が3割減、4割減になりかねません。本末転倒になってしまいます。
プロセスの簡素化とは、誰が見ても分かるように順番をハッキリさせること。同時に、効果を最大限に得られるようにすること。
あるものごとを成し遂げるのに、5つのプロセスがあるとしたら、それをA、B、C、D、Eというように整理していきます。こうすれば、誰もが「A、B、C、D、Eの5つをやればいいのだ」と理解できます。
これだけでは不十分。A、B、C、D、Eの5つのプロセスが必要だとしても、最も効果が上がるのが、「A→B→C→D→E」の順番だとは限りません。
何回かやってみたところ、実は「C→D→E→A→B」のほうが得られる効果が高いと判明したら、これをプロセスにします。
それを繰り返していって、やる度に一定の効果が得られるとしたら、それがあるべきプロセスです。ここまでやって初めて、「プロセスを簡素化した」と言えます。
すべてのプロセスは、簡素化されていなければなりません。いつ誰がやっても自然にかつスムーズに動けて、最大限の効果が得られるようになっているべきです。
効果が上がらなければ、それはプロセスが簡素化されていない証拠です。必要なプロセスを省いていないか、あるいは複雑になりすぎていないかをチェックする必要があります。
分からなくなったり順番を忘れてしまったりすれば、プロセスが簡素化されていない可能性が高いです。何も見ないで「これをやったら、次はこれ」と自然にかつスムーズに動けるように、簡素化していきます。