あなたは今、山を登っているところです。その山は、自分自身が「登りたい!」と選んだわけではありません。
気づいたら登っていた……。それが、実態です。
これまでかなり高いところにまで登ってきましたが、先はまだだいぶ遠いようです。「本当に登れるのかな?」という不安が「ない」わけではありません。
だからと言って、今さら下山することは、できない相談です。登り始めたら「最後まで続ける」しかありません。
過酷と言ってもいいですが、仕方ありません。あなたがその山を登るのは、定められていたのですから……。
登るのがつらく厳しく苦しいとしたら、途中で休むことはできます。幸か不幸か、時間はたっぷりあります。
どんなに時間がかかったとしても、あなたには登ることが義務づけられています。疲労が回復するまで、あるいはやる気がフツフツと湧いてくるまで、休養してもいいし、キャンプをするのも自由です。
その山を登るのに、おそらく無数のルートがあります。「このルートは行き止まりだな」「こっちは合わないな」と思えば、いくらでも変更することができます。好きなように登山ルートを選べます。
その山を登るのは、あなた1人。あなただけが登ることを許されています。1人とだと「さびしい」と感じることもあるかしれませんが、別の山を登っている仲間と交信することは可能です。
お互いに励まし合ったりアドバイスを贈ったりするのは、自由。そういう存在がいると気づけば、勇気も元気も出てきます。
あなたにできることは、その山を登り続けること――。選択肢は、ただ1つ。
その山には、名前がつけられています。 誰がつけたのか知りませんが、いつのころからか「人生」と呼ばれるようになっています。
あなたが登っているのは、人生という山。その山を登り続けることに、「終わり」はありません。
これまでも十分登ってきました。それは、これからもずっとずっと続いていきます。