年や年度が変わったり、これまでとは違う環境に身を置いたりするときに持つことがあるもの――。それが、「抱負」です。
すでに「今年の抱負」を言ったり聞いたりした人は、多いかもしれません。そこには、どんな明るく希望に満ちた言葉が並んでいたのでしょうか……。
当たり前ですが、抱負を述べるのは、何かが始まる前です。まだ何も始まっていないから、明るく希望に満ちた言葉が並びます。
結果がまだ出ていないから、耳障りのいい言葉ばかりが口をついて出てきます。こう言うと、辛辣すぎるでしょうか……。
私は何も「抱負はよくない」と言っているのではありません。抱負だけを述べるのは、「お題目を唱えるのと同じ」と言いたいだけです。
「初心に返ったつもりで取り組みます」「心機一転頑張ります」「新しいことにチャレンジします」……
その気持ちに、おそらく「ウソ偽り」はありません。とは言え、それはあくまでも希望を述べたもの。
抱負のほとんどは、「結果」にはまったくコミットしていません。これでは実現可能性は著しく低くなります。
実現の見込みがない抱負など、価値はゼロ。述べるのであれば、カンタンでいいから、ゴールと実践する行動もセットであるべきです。
「初心に返って、今年は頻繁に現場に出るようにします。時間の許す限り、お客さまとも直接お話しして、業績をV字回復させます」
「心機一転して、ゼロから勉強を再開します。どんなに忙しくても1日2時間は勉強して、今年こそ資格を取ります」
「これを機に、毎月1つ新しいことにチャレンジします。自分自身をひと回りもふた回りも大きく成長させます」……
このようにゴールと行動がモレなくついているものが、本当の「抱負」です。ゴールと行動を余すところなく述べた人だけが、抱負を実現できます。
あなたの今年の抱負は、なんですか。どんなゴールと行動がセットになっていますか?