いいアイデアがあるのに、それを実行するのに必要な資金がない。事業を拡大しようと思っても、それを展開していく人材が不足している……。商品はあるのに、それを広めていく販路がない……。
何かをしようと思っても、必要なものが不足していてうまくいかないという事態はよくあることです。
「天は二物を与えず」と考えれば、そういうことも「仕方ないかな」と割り切ることもできますが、実際には必要なものを2つも3つも持っている人がいます。
そういう人が先天的に必要なものをいくつも持っていたということは、まずありません(もちろん、例外はあります)。いくつも持っているように見える人は、与えられたわけではなくて、自ら揃えていった人です。
何かを始めようとしたときは、その人も何も手にしていません。何もない状態から必要なものをとりあえず1つだけ揃えることに専念します。それだけでは、やりたいことを実行し成功させるには不十分。次にまた必要なものを見つけていきます。
こうしたことを繰り返していくと、いつの間にか必要なものがすべて揃います。そこからやりたいことに全力で取り組んでいって、功成り名を遂げていった――。すべての立志伝中の人は、このケースに当てはまります。
「これをやろう!」「あれがやりたい!」「生涯かけて取り組んでいく!」
そう思って行動を始めたとしても、お膳立てができているわけではありません。これでは、江戸時代のお殿様です。
必要なものはすべて自分で揃えていくしかありません。誰かが揃えてくれるのを期待するのは、ムダ。そんなヒマがあるのなら、何か1つでもいいから自らの手でどこかから工面すべきです。
自分でつくり出すこともあれば、人に頭を下げて譲り受けることもあります。あるいは自分自身をアピールして投資してもらうこともアリです。
成功者と言われる人のほとんどは徒手空拳。必要なものを1つ1つ手に入れていって、うまくいく環境をつくり上げていったにすぎません。
今をときめくあの人も、最初はゼロからスタートしています。あなたに必要なものが1つもないのは当たり前。ゼロから1つ1つ揃えていけばいいだけのことです。