「あったほうがいい」と思われながらも、実際にはなくても困らないもの……。そういうものはいくつかありますが、その1つが、「忍耐力」です。
こう言うと、「それはあったほうがいいですよ」と反論する人がいそうです。確かに「ある」に越したことはないですが、なければないで困ることもないし、それで問題もありません。
なぜなくてもいいのかと言うと、知られざるデメリットがあるからです。そのことを知らずに、必要以上に忍耐している人は、少なくありません。
忍耐している人の中には、「今はじっとガマンしていよう」と、それ自体が目的化している人がいます。忍耐自体に「意味がある」「しなければならない」とカン違いしています。
「じっとガマンしていれば、そのうちにいいことがある」と思っていますが、そんなことはまずありません。耐え忍んでいたあとに、次にいいことが起こる保証はゼロ。
むしろ耐えしのいでいる間に環境は、ドンドン悪化していきます。どうにもならない事態に追い込まれることは、十分にあり得ます。
もしガマンの次にいいことが起こったとすれば、その人はタイミングを見計らって動き出したからです。タイミングよく動いたから、流れをつかんで、いいことを引き寄せたにすぎません。
この人は、ただじっとガマンしていたのとは違います。ガマンしながら、出ていくタイミングをじっと見計らっています。それは、カンタンに見極められるものでもありません。
「ここだ」と思いながら出ていくと、早すぎたり、逆に遅すぎたりします。そうし失敗を何回も繰り返すことで、タイミングをつかんでいきます。「ここだ」と分かってきたら、出るタイミングで飛び出せるようになります。
まるでそれまで忍耐などしていなかったかのように、自然に飛び出します。
忍耐とは、出るべきタイミングをきちんと見極めながら、いっときだけガマンすること。目的は、しかるべきときに行動することで、それ以上でもそれ以下でもありません。
あなたは、今日、忍耐していましたか。出るべきタイミングを逃しませんでしたか?