「こういうのはいかがでしょうか?」
商品・サービスを買ってもらう場合、あるいは企画をプランニングする場合。相手に採用してもらうときは、このように「提案」をします。
こちらから働きかけなければ、よほどのことがない限り、相手が自ら進んで購入したり採用したりすることはまずありません。やはり相手へのなんらかのアプローチが必要です。
提案と聞くと、何かを勧めること、あるいはアピールすることのように思われがちです。端から見ると、そのように映ってしまうのは、否定しません。実際には、そういうものは提案とは違います。
何かを勧める。何かをアピールする……。
これらは、プッシュ型行動です。こちらから相手に「こういうのはいかがでしょうか?」と攻め込んでいます。
こういうやり方のすべてが悪いわけではありません。顧客が本当に求めているものに出合えるのならば、あってもいいです。
身もフタもなく言えば、売り上げや利用者、シェアやサービスエリアといった自分たちの存立にかかわる何かを増やそうとしているだけで、完全な自分都合。相手より自分たちの都合を優先しています。
ときに相手にYESをもらおうと、強引になることもあります。これは、明らかに提案とは違います。
提案とは、相手の都合を優先し、なおかつメリットになることをさりげなく伝えること。YES/NOを完全に相手に委ねています。
どちらかと言うと、プル型の行動。望むなら、相手のために自分ができるすべてのことをしようとします。
そこにあるのは、相手の役に立ちたいという思い。それが、100%あるのが、提案。逆に言えば、自分たちがトクをしようという思いが0・1%でもあれば、それは提案ではありません。
あなたは、今日、誰かに何かを提案しましたか。100%相手の役に立とうとしましたか?