「ピンチはチャンス」
よくこんなふうに言われます。
「ピンチをなんとか切り抜けると、次にチャンスがやって来る」と思われていて、実際にそういうことはあります。あなたにもそういう経験があったのでないでしょうか。
もっとも、「ピンチを切り抜ければ、必ずチャンスが来る」というものではありません。ピンチのあとに、またピンチがやって来る。
そこまでいかなくても、ピンチを切り抜けたあとには、特にチャンスらしいものが訪れず、何も変化がない……。どちらかと言うと、後者のほうが多いかもしれません。
ピンチのあとに、チャンスが控えていることは多いですが、勝手には来てくれません。
ピンチを切り抜けて「やれやれ、よかった」「なんとか助かった」とひと息ついたり、ボーッと休んでいたりする人のところには、チャンスは来てくれません。意外と、チャンスはシビアなのです。
それでは、どんな人のところに来るのかと言うと、ピンチを切り抜けている間にも、次の手を打っている人。
目の前のピンチを切り抜けようとしながらも、3手も4手も先のことを読んで考えて行動している人のところに、チャンスはやって来ます。
多くの人は、ピンチになると、そこから切り抜けることを考えます。それは、当たり前のこと。チャンスは、そういう人にはあまり関心を示しません。
ピンチになったときに、目の前の事態を切り抜けようとしながらも、その先のことを考えて行動している人が、まれにいます、チャンスが関心を示すのは、そういう人です。
その人がピンチを切り抜けると、チャンスが目の前に立っています。ピンチから脱出するのを待ち構えています。
このとき先の先を考えていた人は、すぐにチャンスの扉を開けて、中に入っていきます。これは想像していたとおり。こうしてピンチから一気にチャンスへと突き進みます。
ピンチのあとに必ずチャンスが待っているのでありません、ピンチのときにチャンスを呼び込むことをしていたから、そうなるのです。
ピンチのあとにチャンスの入口に出られるのは、先々の手を打っている人です。