何かをやろうとするとき、それがあまり難しいものでなければ、それほど時間をかけずに、また手間をかけずにスムーズにできてしまうものです。このとき特に感慨はありません。
それは、カンタンなことだから……。カンタンなことをやり遂げても、喜びもありません。ましてや達成感など皆無です。
人はカンタンにできることをやっても、「うれしい」とは思わないものです。むしろ「なぜこんなカンタンなことをやらなくてはならないのだろうか」と怒ったり、恥ずかしがったりします。
それは、その取り組んだことが自分にふさわしくないからでもあります。
あなたがやるにふさわしいことは、ほかにあります。それは、難しいこと。そう、あなたは、スムーズにできてしまうカンタンなことに取り組む人ではありません。
難しいことに取り組むとすれば、当然ながら、時間も手間もかかります。カンタンなことをやるときほど、スムーズにはいかなくなります。
悪戦苦闘、右往左往、七転八倒することが多くなります。うまくいかなくて地団駄を踏むこともあるのではないでしょうか。
難しいことに取り組むのは、一種のストレス。精神的にも肉体的にもつらくなることもあるかもしれません。
それでも、難しいことをするから得られるものがあります。それは、達成感――。
「ようやくできた」「なんとか1人でできた」「頑張ったかいがあった」……
難しいことに挑んで、それをやり遂げたら、達成感を得られます。その達成感は、ほかのどんなことをしたときよりも特別なものに感じるはずです。
カンタンなことに取り組んでスムーズにできたとしても、達成感は得られません。それを得られるのは、自分にはできるかどうか分からない、難しいことに挑んで、なんとかやり遂げたとき。
困難さと達成感は、比例します。難しいことに挑めば挑むほど、達成感はより大きくなっていきます。
もし今のあなたが達成感を得られていないとしたら、難しいことに挑んでいない証拠。
もし達成感を得ているとしたら、「積極的に難しいことにチャレンジしているから」だと言えます。