食べ物には、「旬」があります。春夏秋冬、それぞれの季節に「おいしいもの」がふだんに揃っています。またその季節でしか食べられない貴重な食材も、少なくありません。
今は保存技術も進化しているので、旬を逃しても、貴重な食材を手に入れることができます。おいしさも保存できますが、それでもその季節に食べる方法が、やはりうれしいものです。
食べ物と同じように、ものごとにも旬はあります。どんなことにも、手がけたり取り組んだりするのにふさわしいタイミングが存在します。
たとえば、自分自身が「面白そう!」「やってみたい!」と思ったこと。「やりたい」と思ったそのときが、旬です。
まさに「鉄は熱いうちに打て」で、旬を逃さずに始めるしかありません。「できる/できない」「向いている/向いていない」とか考えるのも、ムダ。
その旬の時間が、最高の始めどきです。もし旬を逃したら、「時間もないしお金もかかるな」という現実的な判断が働いて、せっかく「やりたい」と思ったことも手をつけずに終わってしまいます。
あるいは、お願いことをされたとき。相手が誰であれ、「これをやってくれませんか?」と言われたら、その瞬間が旬です。
できれば「いいですよ」と即答して、相手の目の前でやってしまいます。多少手間がかかるものなら、「いいですよ」と返事をして、できればその日のうちに、ムリならば翌日には取り組んでいきます。
早めに手がければ、それだけ早く相手に依頼されたものを提供できます。相手も旬のうちにそれを利用することが、可能です。
逆に、タイミングをズラした旬もあります。その代表が、商談とかセールス。会った瞬間に「いかがですか?」「オトクですよ」とオファーしても、敬遠されるだけです。
1歩1歩段階を踏んで、相手と信頼関係を築いてから、オファーしなければ、成約そのものが難しくなります。信頼関係を築いたときが、商談・セールスの旬です。
どんなものごとにも、旬はあります。その絶好のタイミングで取り組めば、万事うまくいきます。このことを理解し実践している人は、それほど多くはありません。