1回やってみただけだったのに、うまくいった。あるいは1回やっただけで、できてしまった……。
こういう「まぐれ」みたいなことはたまに起こりますが、基本的に1回やったくらいで、うまくもいかないしできるようにもなりません。
その1回でコツをすべてつかんで、2回目以降は名人のようにできるかと言えば、あまりにも非現実的です。
まぐれは、訳も分からずにたまたまできてしまったにすぎません。再現性がまったくないので、2回目以降はできずに終わるケースが多いものです。
1回や2回でできるようになることなどなくて、すべてを身につけるまでにはやはり何百回、何千回と繰り返す必要があります。うまくいく、あるいはできるようになるためには、同じことの繰り返しは避けて通れません。
同じことを何百回、何千回と繰り返すのは単調で面白味もないことから、なかには飽きてしまう人もいます。こういう人は「つまらない」「もうやりたくない」と言って、やめてしまいます。
確かに面白くもないことを何時間も続けるのは、苦痛です。だからと言って、やめてしまう人に同情は禁物。厳しいようですが、「面白さに気づけない残念な人」と認定せざるを得ません。
同じことを何百回、何千回とやっていけば、少しずつではあっても、上達します。やるたびにほんのちょっとだけうまくなっているし、できるようになっていきます。その上達ぶりがごくわずかなので、本人はその実感を得られずにいます。
ちょっとずつでも上達していれば、うまくなること、できるようになることの面白味を得られます。それは、全神経を研ぎ澄まさなければ気づけないほど、小さいものです。
その上達する面白さに気づけば、同じことを何百回、何千回とやっていっても、飽きずに続けられます。上達を実感して、もっとやり続けようとします。
こういう人はどんなに時間がかかっても、うまくいくまで、あるいはできるようになるまで何百回、何千回と、同じことを続けていきます。
反対に、上達する面白さに気づけない人は、同じことをやるのに飽きて、途中でやめてしまいます。この人は、自分自身の成長に気づけないほど鈍感です。