「私がやりたかったのは、これだ!」「私もこんな人になりたい!」「スゴイ。私もやってみたい!」……
何か/誰かを見たり聞いたり実感したりした感動は、人を動かします。一瞬にして人を変えてしまう力があります。
もっとも、その感動が直接、人を動かすわけではありません。あくまでもそれは、「きっかけ」です。
より正確に言えば、感動が人を動かすわけではありません。人を動かすのは、もっと別の存在です。
それは、誰か他人でもありません。そうかと言って、親しい人や身近な人というわけでもないです。
人を動かす存在は、ただ1つ。それは、自分自身――。
自分という存在だけが、あなた自身を動かすことができます。それ以外の誰も、また何もあなたを動かすことはできません。
震えるほどの感動をしたとしても、それがあなたを動かしたとは言えません。あなた自身がそう思ったとしても、明確に異なります。
その感動があなたに変化を起こしたのは、事実です。感動したあなたが「これだ!」「こんな人になりたい!」「やってみたい!」と思ったのも、事実。
感動の力は、そこまで。人の気持ちを動かすことはあっても、行動にまで移させるかどうはまた別の話です。
実際に行動をするかどうかは、自分自身の意思次第。 感動して「これだ!」「こんな人になりたい!」「やってみたい!」と思ったものの、翌日になったら忘れていた経験は、あなたにもあるはずです。
いくら感動したとしても、実際に行動にまで踏み出すのは、ごくごくわずかです。もし感動に人を動かす力があるのなら、世の中はもっと違った方向に行っていたはずです。こう言ったら、辛辣すぎるでしょうか。
自分自身を動かすのは、ただ1人。それは、あなた――。
あなた自身が自分を動かそうとしない限り、どんなに感動したとしても何も変わりません。あなたという人を動かせるのは、自分自身だけです。