必要なものと不要なもの――。その線引きは、意外と難しいものです。
なぜ難しいのかと言うと、判断するその時点では、それが必要となる/不要となる未来のことがまったく分からないから。今、必要であっても、未来には不要になっているかもしれません。その逆もあり得ます。
もし未来のいつかの時点で「必要になる」と事前に分かっていれば、どんなに遠い先のことであっても、ためらわずにキープしておきます。
反対に、未来には「必要ない」と事前に分かっていれば、なんのためらいものなく捨ててしまいます。
必要か不要か分からないと、キープしがちです。捨てることが怖くなります。
「いつか必要になるかもしれない……」
そう思って、ドンドンため込んでしまいます。それが「もったいない」という精神とリンクすると、ますます捨てられなくなります。
本当にもったいないのは、必要なものが入ってこなくなること。不要なものが占拠して必要なものが新しく入る余地がなくなると、成長が止まりかねません。
それが大げさなら、効率が悪くなります。必要ではないものがたくさんあるのは、やはりよくないことです。
捨てることを「もったいない」と感じる人は、残念ながら、自分自身の成長に無頓着です。自分自身の成長より不要なものを優先させています。
これは、とてもおかしなことではないでしょうか。また「もったいなさすぎる」と思いませんか。
不要なものには、これだけの悪影響があります。不要なものを捨てることにためらっているヒマなどありません。
それでも「どうしても捨てられない」と言う人がいるのであれば、こんな提案をしてみます。それは、定期的に要/不要をチェックすること。
半年とか1年ごとに要/不要をチェックして、「もういらない」と思うのであれば、ためらわずに捨ててしまいます。「まだいるな」と思うのであれば、もう少しだけキープします。
これを続けていくと、要/不要の判断がスムーズにできるようなって、不要なものをドンドン捨てるようになります。身の回りに不要なものがなくなります。