「もっとよく考えなさい」
こんなふうにお説教ぽく言う人は、少なくありません。あなた自身も言っているかもしれないし、また言われたこともあるはずです。
こういう言葉が出るのは、状況が思わしくないときです。もしよければ、「考えなさい」なんて、誰も言いません。
お説教するほうは、よく考えなかったことではなく、結果が出ないことを責めています。もっといい方法があったはずなのに、それを考えつかなかった相手に対して、ネチネチ言って、溜飲を下げています。
「そんなに慌ててやらなくてもいいじゃないか。考えてからでも遅くはないよ」
考えるより先に行動する人に対して、こんなふうにいさめる人もいます。あなた自身もしているかもしれないし、されていることもありそうです。
こういう言葉が出るのは、言っている人の考えとは違う方向に事態が進みそうなときです。この場合、いい方向に進みそうなときに限られます(よくない方向に進みそうなら、ストップさせるはずです)。
いさめるほうは、考えないことではなく、自分の言うことを聞かないことを責めています。
自分とは違う考えに基づいて行動したところ、うまくいきそうなので、メンツが潰れないように、もっともらしいことを言っています。
どちらも「考えろ」とは言っていますが、完全なピント外れ。考えることに重きを置く必要はありません。
考えるのは、いつでもできます。どこでもどんなときでもどんなふうにでも……。
「行動する前に考えなければならない」という決まりはありません。また「よく考えれば結果が出る」というものでもないです。
行動しながら考えることは、可能。やっていることを逐一フィードバックできますから、いいアイデアが浮かびやすくなったりします。
何かを始める前に考えるのは悪いことではないです。とは言え、大量の時間のロスを生みかねません。
行動しながら考えることは、できます。やってみれば、時間活用と結果を出すことの「一石二鳥」を得られます。そのことを知らないのは、「よく考えろ」と、もっともらしく言う人です。