2020.4.20.

挫折を力に変える、、、

 挫折――。この言葉を聞いて、うれしくなったり、楽しくなったりする人はまずいません。確かに、積極的にするものではないですし、どちらかと言うと、意に反して、いつの間にかしてしまうものです。
その挫折がいいか悪いかと問われれば、明確に答えられます。もちろん、「いいこと」です。こう言うと、ビックリする人もいそうです。もしかしたら、あなたもその1人かもしれません。
それが「いいこと」だと分かるのは、ずっとあとのことです。何年、あるいは何十年先のことになることもあり得ます。渦中にいるときは、「いいことだ」と思えるはずがありません。ひたすら苦しくつらい日々が続きます。
また先がまったく見えません。「なんでこんな目に遭わなければならないのだろう?」と、わが身を嘆いたり、不憫に思ったりもします。悲劇のヒーロー/ヒロインの気分を味わうこともあります。
なかには、耐え切れず、逃げ出したり、誰かに責任を押しつけたりする人も出てきます。そうして挫折から切り抜けようとする人もいますが、根本的な解決にはならないので、一時的な逃避で終わります。
遅かれ早かれ、別のかたちで再び挫折を経験することになります。自業自得ですから、それは仕方ないことです。
 ただし、その挫折に逃げずに向き合っていけば、別の道が開けます。人間的にひと回りもふた回りも大きくなれます。それはその挫折という経験を通じて、ものの見え方や思考が変わり、行動が変わっていくから。
 これまでできなかった、はるかに高い視点でものごとを見たり考えたりすれば、よりよい選択と行動ができるようになります。
自分自身にとってプラスの結果をもたらすこともできるし、それ以上に周りの人たちに喜んでもらえることが増えていきます。
そんな自分を見て、周りの人たちが「ひと回りもふた回りも大きくなった」と認めてくれます。
 挫折をしないで、そういう成長することは、「不可能ではない」です。もっとも、そういうことができる人は、ごくまれです。
挫折は、力に変わります。それができるのは、逃げずに立ち向かった人。力に変えることができたとき、「あの挫折はいいことだった」と腑に落ちるようになります。