2020.5.11.

ピンチに飛び込む、、、

 いきなりですが、目の前には、2つの池があります。そのどちらにも大きな魚が、悠々と泳いでいます。
池の前まで来た人がいますが、あいにく釣り竿を持っていません。その魚を手に入れるには、自らその池に飛び込んで、つかみとるしかなさそうです。
 1つの池は、それほど大きくはありません。しかも水がキレイで、魚の動きがよく見えます。
もう1つの池はけっこう大きくて、水は少し濁っています。魚を捕まえるのが大変そうです。1つしか選べないとしたら、どちらを選ぶでしょうか。
この人が選んだのは、それほど大きくはない、水がキレイな池。「これなら楽勝だ」と思ったものの、なかなか魚を捕まえきれません。
捕まえようとするから、魚は逃げようとして深く潜っていきます。飛び込む前には気づかなかったことですが、この池はかなり深くて、魚はドンドン下へと降りていきます。次第にあたりが暗くなります。
素潜りするには危険な深いところにまで逃げて行ってしまったので、この人はあきらめて地面に上がることにします。このときにはもう一方の池に飛び込むだけの体力を使い果たして、気落ちしたまま家路に着きます。
その数時間後、別の人がこの2つの池の前に来て、案の定、魚を発見します。この人も釣り竿を持っていなかったので、自らつかみとろうとします。迷わず大きい、ちょっと濁ったほうの池に飛び込みます。
この人は飛び込んで数分も経たないうちに、魚を手にとって、池から上がってきました。どうやらそれほど深くはなく、慎重に近づいていってつかみとったようです。念のために言うと、この人は魚を捕る名人ではありません。
言い忘れていましたが、この2つの池には名前がついています。それは、チャンスとピンチ。どちらの池がどう呼ばれているかは、推して知るべし。
チャンスとピンチは、一見すると見分けがつかないものです。チャンスと思ったらピンチになった。ピンチだと思ったら、チャンスに転じた……。そんなことは日常茶飯事。
飛び込んでみなければ分からないのが、ピンチでありチャンスです。
もし1つしか選べないとしたら、あなたならどちらにしますか。一流の人は、ピンチを選びます。
飛び込んでも、すぐにチャンスに変わることを知っているから……。