「ワー、もう始まっている。これはヤバイ!」……
故意か偶然かは別として、あなたがのんびりしている間に、すでに熱心に取り組んでいる人がたくさんいるのを目の当たりにしたら、「出遅れ感」を覚えてしまうものです。ビジネスでは、一瞬の遅れが致命傷になりかねないだけに、あなたのその焦りは相当なものです。
ほかの人たちがフライングをしたのではなく、たんにあなた自身が少しだけ油断していただけ。人を恨むのは筋違いで、責められるべきは自分自身です。
出遅れたということは、マイナスからスタートするようなもの。それに比べて、ほかの人たちはすでに歩を進めていますから、挽回するのは容易なことではありません。
あなた自身もそれがよく分かっているから、「ヤバイ!」と焦っています。それは、正直な感情の発露です。
こういうときにしてはいけないことは、遅れを取り戻そうと猛然とダッシュすること。「早く追いつかなくては……」という焦りがそうさせがちですが、これでは自滅の道をまっしぐらに進むことになります。
これからやろうとすることは、まだ始まったばかり。しかも先が長いのですから、遅れを取り戻すためにスタート直後にダッシュしてしまったら、不用意に体力を消耗してしまいます。おそらくほかの人たちに追いついたときには、バテバテになっているはずです。
「追いついた!」とホッとひと安心したとしても、それは束の間。体力を消耗していないほかの人たちに引き離されてしまうので、ダッシュした意味がなくなります。
出遅れたとしても、焦りは禁物。やるべきことをやっていきながら、少しずつ距離を縮めていくしかありません。
ほかの人よりもほんのちょっと速いペースで進んでいくと、いつかは追いつくことができます。それが、体力をむやみに消耗することなく距離を詰めていく唯一の方法です。
出遅れたとき、焦るのは仕方ないことです。このとき焦りに任せて急いでしまったら、体力を消耗してしまいます。
焦りを抑えて、ほんの少しスピードを出して距離を縮めていけば、いつしか追いつくことができます。焦っても、なんにもなりません。