人間にあって、そのほかのすべての生物にはないもの。
ナゾナゾみたいですが、いろいろな答えが考えられます。先に答えを言うと、矛盾。
こう言うと、「どういうことですか?」と不審に思う人が多そうです。
人間には、矛盾がありますが、そのほかの生物にはゼロです。
なぜ人間以外に矛盾がないのかと言うと、本能で生きているから。本能に従って行動しているから、矛盾が生じる余地がまったくありません。
ときに本能の赴くままに行動することもありますが、人間はふだん行動するときには理性的にふるまうように要求されます。
また自分自身にもそう言い聞かせています。
分かりやすい例を持ち出せば、大好きなスイーツを「お腹いっぱい食べたい」と思っているのに、「太るから」とガマンしてしまう。
本能は食べたがっているのに、理性が「太るのはよくない」と抑制しようとします。
こんな大いなる矛盾をはらんだ生き物が、人間です。あなた自身も、いくつかの矛盾を抱えているかもしれません。
矛盾があるのはいいことなのかよくないことなのかと言うと、カンタンには結論づけられません。
ないほうがいいに決まっていますが、あるほうがいい場合もあります。
前述したスイーツなどはお腹いっぱいになるまで食べるのをガマンしたほうが太らないし、生活習慣病を未然に防いでくれます。
その一方で、ガマンすることでストレスがたまって、それが別の病気を誘発する可能性もあります。
1つ言えるのは、矛盾とはムリを生じさせること。食べたいのをガマンする。ガマンしてストレスをためてしまう……。どちらもムリのある生き方をしています。
日常生活に支障がないようならあってもいいですが、ムリが生じるようなら、解消すべきです。
どの程度なら許容できるかは、人それぞれ。
ただし、解消の仕方を誤ると、やはりストレスを抱えることになります。ムリのない解消法を模索すべきです。
お腹いっぱいスイーツが食べたい人が、「もう2度と食べない」と生き方をガラリと変えるのはムリがありすぎます。「低カロリーのスイーツにする」とか「体質改善をして、甘いものが欲しくなくなるカラダにする」といったムリのない行動をすることで矛盾を解消していきます。解消に工夫が必要――。
それが、矛盾への対処法です。
あなたは今日、矛盾を解消しましたか。ムリのない生き方を続けられましたか?