同じことをしているのに、ある人が賛成してくれたのに、別の人が猛反対したとすれば、両者の間にはなんらかの違いがあります。
考えられる要因として最も顕著なものが、「同意」のある/なしです。
同意とは、相手にこちらの考えや行動をきちんと納得してもらえること。全面的に同意してもらえれば賛成してくれるし、反対にそれがなければ必然的にモメることになってしまいます。
同意は、難しいものです。断っておきますが、同意してもらうのが難しいということではありません。相手にきちんと同意してもらうのが「難しい」ということです。
同意にも、種類があります。大まかに言うと、次の3つ。
1つ目が、相手がきちんと納得してくれること。こちらの考えや行動に対して全面的に賛成してくれて、なおかつ惜しまずに協力してくれる――。ここまで来るのが、本当の同意です。ビジネスでもプライベートでもこの同意を得るのは、至難の業です。
2つ目が、相手がイヤイヤながら賛成してくれること。これは不本意な同意であり、消極的な支持です。
足元を見て割に合わない条件を提示してきたり、同調圧力をかけてきたりしたとき、多くの人は納得できないながらも、渋々賛成に回ります。
本音では「反対」なのに、賛成に回ってしまうのは、日常的によくあることです。この場合、納得していないにもかかわらず、相手をムリやり同意させています。
3つ目が、反対ではないので、とりあえず「いい」と言ってしまうこと。深く考えずその場の気分で同意してしまうのが、このケース。あとになってよくよく考えて「やっぱりイヤだ」と、撤回に回ることが少なくありません。
モメてしまうのは、2つ目と3つ目のケースです。その原因は、きちんと納得してもらっていないことにあります。
納得してもらわなければ、いくら「YES」と言ってもらったとしても、同意とは言えません。
それなのにカタチだけの同意を得てものごとを進めたりしたら、うまくいかなくなるのは、火を見るより明らか。それは、相手を軽んじた結果です。
あなたは今日、同意を得てものごとを進めましたか。相手にきちんと納得してもらいましたか?