いわゆる「できる」と言われる人には、いくつかの共通点があります。たくさんある中で見過ごされそうなことを1つ言えば、全体の流れを把握していること。
仕事でも勉強でもスポーツでも、「こういうものだ」と、ハッキリと全体像をとらえて、なおかつその流れをつかめるようになると、年齢やキャリア、性に関係なく、急に「できる」ようになります。
言葉にすれば、実にカンタンに聞こえそうですが、実際にそこまでできる人は多くありません。
カンタンそうに見えて、実は奥が深い――。それが、全体の流れを把握すること。
これは、2つの局面から成り立ちます。
1つ目が、本質を理解すること。多くの人がものごとをとらえるときにしているのは、「ああ、こういうものか」というただの確認です。丸なのか三角なのか四角なのかというカタチを識別するだけで、本質を理解したつもりになっています。
たとえば、それが球だとしたら、上、横、下のどこから見ても丸く見えます。もしそれが円錐だとしたら、下から見たら丸く見えますが、横から見たら三角形として映ります。
円錐を横から見て球だと判断してしまったら、カタチの確認をしただけで本質に迫ろうとはまったくしていません。
ただカタチを見るだけでなく、そのものの特徴をつかみきっていなければ、本質を理解したとは言えません。一瞥して「こういうものか」で終わるのではなく、触ったり調べたり研究したりして「なるほど、こういうものなのだ」と理解するところまでいかないと、本質をとらえられないものです。
もう1つが、流れをつかむこと。この段階になると、実際にできている人はさらに少なくなります。
流れをつかむとは、そのものの存在する目的や背景、どういうふうに使用されているのかを理解すること。そのものの誕生と発展が分かるようになれば、流れがつかめてきます。
本質の理解と、流れをつかむこと。この2つができるようになってようやく全体の流れを把握できます。
できる人は、これをサラリとやってのけています。あなたの周りにいる人も同じで、おそらく1人の例外もありません。