「あなたは資産を持っていますか?」……
こんなふうに聞かれたら、多くの人は「そんなものありませんよ」「持っているわけないじゃないですか」と笑いながら、かつ自虐的に答える人がほとんどです。実際に持っていても、そう答えるに違いありません。
持っている/いないは別にして、こう答える人は、預貯金や株式、債券などの金融資産、不動産や貴金属などの実物資産を「資産」だと考えています。
それらは確かに「ない」より「ある」に越したことはありません。たくさん持っている人が俗に「資産家」と呼ばれ、「なりたい」と思っている人もたくさんいそうです。
もっとも、この人たちが「資産」を一面的にとらえているのは否めません。金融資産も実物資産も「あったほうがいい」ですが、ムリに持とうとしなくてもいいです。こう言うと、今度は「そうなんですか?」と懐疑的になる人が出てきます。
これらの資産は、自分の中にあるわけではありません。持ったとしても、消えてしまう可能性があります。それどころか、マイナスになってしまうこともあり得ます。「ムリに持たなくてもいい」と言うゆえんです。
持つべきなのは、自分の中に確固として築けて、なおかつ決して消えない(マイナスにならない)資産。そういうものがあるとしたら、「知りたい」「持ちたい」と思う人は多そうです。あなたも、その1人かもしれません。
例を挙げると、知識・スキル・経験。あるいは発想力やインスピレーション。人望や人徳も含まれます。これらは、自分の中にしかないもの。
しかもしっかり確立したら、消えることはありません(ただし、常にバージョンアップする必要はあります)。
これらが、もう1つの資産。また本物の資産です。
金融資産や実物資産は、誰もが持つことはできますが、どこにでもあるものばかり。ムリして手に入れる価値があるのかと言うと、クエスチョンマークがつきます。
それに対して、自分の中に築いた資産は、世界に1つだけのもの。ほかに同じものを持つ人はいません。バージョンアップを怠らなければ、その価値は、無限です。
さらに言うと、自分の中にしっかり資産をつくった人が、あとから金融資産や実物資産をたっぷり手に入れることは可能です。
逆に、金融資産や実物資産を持っている人が本物の資産を手に入れられるかどうかは、「未知数だ」と言わざるを得ません。
(朝の独り言)
連日、北海道は涼しく 過ごしやすいですが、線状降水帯の影響で局地的に豪雨になる場所もあり、不安定な天気になっています。
1日1分中村天風 「人生のすべてをつくる思考」いよいよ明日が発売日です。文庫は、過去にPHP出版で 10万部以上の経験もあり、今回の新刊は出版社内からも好評ですし、自分自身の手応えもかなりあるので 楽しみです。皆さん、応援を宜しくお願い致します。