ビジネスとは、地図に載っていない道を行くようなもの――。いきなりこんなことを言うと、ビックリする人が多いかもしれません。
そんな道は、実在するのかどうかも怪しいものです。実際に行ったとすれば、何が起こるのか、またどんなことに巻き込まれるのか分からないし、危険極まりないのは事実です。大げさに言えば、「生きて帰ってこられない」可能性もあります。
すでに道があるのに、なぜ地図に載っていないのかと言うと、過去に通った人がいないからではありません。何もなくて「地図に載せるほどではない」と、過去に行った人が思ったから。
頻繁に通る人もいないし、その道を行ったとしても「便利だ」と実感する人もいなかったので、地図に載せるまでもなかった……。真相は、そんなところです。
それでは、未来永劫、誰も通らないままなのかと言うと、そんなこともありません。
時代が変わって周辺に名所や新しい名物がつくられるようになると、様相が一気に変わります。通る人がいない、何があるのかサッパリ分からない地図に載っていなかった道が、メーンストリートに変貌します。
そのよく分からない道の案内人になれるのは、ふだんから通っていた人だけ――。そう、それはあなたです。
多くの人が往来する、地図に載っている道を行くのは、何より安心安全確実。こちらは、成熟した業界のビジネス。ある程度の需要が見込めて、利益も確保できます。
もっとも、その道を頻繁に行ったとしても、将来は見通せません。すでに衰退の傾向も見られるし、イノベーションを興すことができなければ、そう遠くないうちにさびれてしまう可能性もなきにしもあらず。地図に載らなくなることも、あり得ます。
これとは正反対なのが、地図に載っていない道を行くようなビジネス。こちらは、ゼロから立ち上げる新規事業に相当します。「けもの道」を行くようなかんじです。
実際に始めたとしても、カタチになるのかも、またうまくいくのかも未知数。「ここを行けば、何かあるに違いない」と期待して行ってみても、何もなかったり迷子になったりすることが頻繁にあります。失敗に終わることも十分に考えられます。ただし、うまくいけば大化けするというビジネスの「醍醐味」があります。
地図に載っている道と、地図に載っていない道。どちらを行くかは、人それぞれ。
ただし、どちらを行くのが面白いのかは、言うまでもありません。
(朝の独り言)
猛烈な台風が来ているということで、かなり心配です。自然災害は、時に想像をはるかに超えた被害になりますから。今の時代は、常にどんな状況でも、対応できる準備をしておくべきと思います。