あなたの目の前には、よく分からないものの誰かが１人で立っています。どうやらその人が、行く手をさえぎっているようです。
何やら「先を行きたければ、私を飛び越えてみなさい」と言っています。急いでいるあなたが先に進むためには、その人物を飛び越えるしかありません。源義経の八艘飛びのように……。
無事、飛び越えたあなたは真っすぐ進んでいきますが、しばらくすると、また誰かが１人で立っています。先ほどと同じように「先を行きたければ、私を飛び越えてみなさい」と言っています。まるで挑発するかのように。
同じ人物のようにも見えますが、違いは少し背が高くなっていること。その人物を飛び越えるしか先に進む方法がないので、今度もヒュッとジャンプして、相手の後ろに難なく着地します。
無事に障害を通過して先に進んでいっても、立ちはだかる人物は、その後も次から次へと現れます。気のせいか、現れるたびに少しずつ背が高くなっているように見えます。
おそらく永遠に、あなたの前に立ちはだかります。あなたが先に進んでいこうとする限り……。
ここまで述べてきて、立ちはだかる人物が誰だか興味が湧いてきませんか。出てくるたびに背が高くなっていますが、それは同一人物です。
ピンと来た人は、大勢いるはずです。そう、それはあなた自身。より正確に言えば、今のあなたです。
今のあなたが、目の前にいる今の自分を飛び越えていく――。それが、成長するということ。
自分と同じ背丈の人間を飛び越えることは、カンタンではありません。とは言え、それをしない限り、先にも進めないし、成長もできないのは事実。
どのように飛び越えるのかは、人それぞれ。１回でうまくいく人もいれば、何回もチャレンジする人もいます。
それでもそれをしない限り、成長することはできません。今の自分を飛び越えることが、誰にとっても成長するということです。
