世の中には、「たまたま」や「偶然」というものがあります。それは、割と頻繁に起こります。また誰の身の上にも、起こり得ます。いつでもどこでもどんなときでも、それはやって来ます。
このたまたまや偶然は、招からざる客。「帰ってください」と言っていい存在です。
「1度や2度くらいはいいのでは?」「追い返すのはよくない」「せっかく来てくれたのに、邪険にしたらかわいそう」……
その気持ちは、分からないでもありません。それでもあなたは、ココロを鬼にしてこう言うべきです。
「お願いだから、もう2度と来ないでください」
ここまで厳しくするのは、あなた自身のため。もっと言えば、未来のあなたのため。
たまたまや偶然は、人をスポイルします。本人たちにそのつもりはなくても、結果的にそうなってしまいます。
人が何かをしていて苦戦しているときに気まぐれにやって来て、「助けてあげよう」と力を貸してくれます。
もともとは善意のかたまりで、うまくいったところを見計らって、どこかへ消えてしまいます。また誰かを助けるために……。
うまくいったほうはと言えば、たまたまや偶然に助けてもらったことを知りません。そのためどうして「うまくいっちゃった」のか分からずにいます。
それが、危険の始まり。「これでうまくいく」と早合点して、必要な努力と行動を怠るようになります。
本当に「できる」人は、なぜうまくいくのかという理由を知っています。「こうすればうまくいく」と分かっているから、いつでもどこでもどんなときでもうまくいきます。再現性を身につけています。
たまたまや偶然に助けられた人は、うまくいく理由を知りません。再現性を身につけられずにいます。
それでも本人は、すでに「できた」つもりになっています。本当はまだ全然できていないにもかかわらず……。
こういう悲劇は、至るところで起きています。たまたまや偶然が意図しないところで被害を受けている人は、たくさんいます。未来のあなたが、その1人にならないことを願っています。