「あれっ? やったつもりだったんだけどなぁ」……
おそらく誰もが1度は言ったことがある言葉です。もしかしたら、今日も似たようなことをつぶやいた人もいるかもしれません。
「やったはずなのに、実はやっていなかった……」ということが起こるのは、間違いなく自分自身のミスです。不注意や怠慢、ながら作業など、原因はさまざまですが、してしまった以上は、きっちりケアやフォローをする以外にありません。
この「つもり」が起こる構造は、2つあります。「やったつもり」になっている人は、例外なく2つのうちのどちらかに当てはまります。
1つは、ツメが甘い。これは、「終わった」「できた」「大丈夫だ」と早合点して、最後までしっかりやっていないというパターンです。
たとえば、風呂に入れるお湯を止めようとして、蛇口をしっかり閉めていない……。蛇口を閉めようとしているときに誰かに声をかけられたり、用事を思い出したりして、最後の最後までしっかりやらなかったら、当然ながら、お湯は出っ放しです。
本人は「止めた」とすっかり思い込んでその場を離れますが、あとで風呂場に戻ってみたら、お湯があふれ出している現場を目撃することになります。「やったつもり」のほとんどは、このツメが甘いケースです。
もう1つは、ヌケやモレがある。本人も一生懸命取り組んで最後まできっちりやったものの、実は途中で「あとでやろう」と飛ばしていたところが何カ所かあって、そのことをすっかり忘れていたというパターン。
「全部終わった」と思って、左うちわのような状態になっていたら、ヌケやモレが発覚して大慌てする人は、意外とよく見かけます。デッドリミットまでにやり直しが間に合えばいいですが、時間切れになっていたら、すべてが水の泡。
「ツメが甘い」も「ヌケやモレがある」のも、本人のミスです。それをなくすには、きちんと確認すること。こう言うと、「最後にまとめて確認すればいい」と考える人がいそうですが、これでは防ぐことは困難です。
できれば、序盤・中盤・最後の3回に分けて、最低でも半分、最後の2回に分けて確認していきます。それくらいしっかり確認をしないと、「やったつもり」をなくすことはできないものです。