2020.9.18.

「大丈夫」と言わない、、、

自分がやりたかった企画が通るのは、誰しもうれしいものです。「絶対に成功させるぞ」と、やる前から気合が入っています。
1度始めたら、途中でやめることも惜しくなって、つい寝食を忘れて取り組んでしまうものです。
自分が提案したのですから、張り切るのは、当然です。周りの人も仕事ぶりには目を細めていますが、その一方で根を詰めすぎているので、心配している人もいます。
「あまり寝ていないようだけど、大丈夫?」
なかには、こんなふうにあなたに声をかける人もいます。このとき言わないほうがいい言葉があります。それは、おそらく多くの人が口にしている言葉です。
「大丈夫ですよ」……
 これが、その言わないほうがいい言葉です。あなたにも、身に覚えがありそうです。
なぜ言わないほうがいいのかと言うと、言葉とは裏腹に言っている本人が「全然大丈夫ではない」からです。ムリをしているのは、明白。ただ本人にその自覚がないにすぎません。
あなたを注意深く見守っている人は、相当なオーバーペースであることを見抜いています。このままでは、「いずれ倒れてしまう」と思っているから、心配しています。
確かに「大丈夫でないです」とか「ヤバイです」とは言いづらいものです。そう言ったら、せっかくやりたかった企画をほかの人に回されたり、最悪の場合、中止にされたりする恐れがあります。
そういう危険性があるから、ムリしているにもかかわらず、「大丈夫です」と言ってしまいます。それは、悲しい性です。
もっとも、本当にオーバーペースで倒れてしまったら、迷惑を被るのは尻拭いをさせられる周りの人たちです。「大丈夫?」と聞いた人は、あなたのことと、トバッチリを受けかねないことの両方を心配しています。
それが、大人の「やさしさ」です。心配されたあなたは、本当はこう言うべきです。
「お気遣いありがとうございます。やりすぎなので、少しペースダウンします」
「ムリしている」と周りに思われているから、「大丈夫?」と聞かれてしまうのです。
そのときは素直に「大丈夫ではないかもしれません」と正直に言うべきです。
そう言ったほうが、あなた自身も周りも安心できます。少なくとも「大丈夫ではない」状態を回避することができます。