仕事には、給料が高いものもあれば、割に合わないものもあります。カンタンにできてしまうものもあれば、じっくり時間をかけなければできないものもあります。
人気が高い仕事もあれば、求人してもなかなか応募が来ない仕事もあります。資格が必要なものもあれば、「未経験歓迎」というものもあります。
探せば、もっとほかにもいろいろあるかもしれませんが、1つハッキリと言えることがあります。それは、「誰がやっても同じ」などという仕事はないことです。
確かに、未経験者でもできてしまう、またはカンタンに覚えられる仕事というものは存在します。そういった仕事は、「誰がやっても同じ」だと思われがちですが、そんなことはありません。
たとえば。AさんとBさんの2人が、その未経験者でもできるカンタンな仕事をやったとします。Aさんが最初から最後まで丁寧かつしっかりやったのに対して、Bさんがパパッと片手間で終わらせてしまったとしたら、そのクオリティーには如実に差が出ます。その差は、誰が見ても明らかです。
あるいは。キャリアがほぼ同じのCさんとDさんの2人が、熟練の技が要求される難しい仕事をやったとします。ここでも「誰がやっても同じ」などということはありません。
Cさんが納得するまで何度も何度もやり直したのに対して、Dさんは面倒なことは後輩にやらせて最後の仕上げだけをササッとやって終わらせてしまう……。
素人目には両者の差を見分けられないかもしれませんが、それなりの鑑識眼を持った人であれば、Cさんの仕事ぶりに一目置くはずです。
どんなにマニュアル化されていたりオートメーション化されていたりしても、やる人が違えば、その仕事の質は微妙に変わってきます。それは、見る人が見れば明らかに分かります。
仕事に対する情熱、やる気、理想が異なれば、それが質の差となって表れるのは当然のことです。「誰がやっても同じ」という仕事はないのです。
このことは、逆の意味でも言えます。「こんなのは誰がやっても同じ」などと思って取り組めば、ほかの誰も真似できないほどのひどいクオリティーとして仕上がってしまいます。やはり「誰がやっても同じ」などという仕事はありません。