押してダメなら引いてみろ――。それまでのやり方がまったく通じないときに、あえて違うことをしてみると、意外にうまくいくものです(もちろん、うまくいかないことも十分にあり得ます)。
ずっと同じ1つのやり方をやっていてうまくいかないときは、やはり何かを変えていく契機です。変えたとしても、うまくいくとは限りませんが、ほかのやり方をやってみるのもいいかもしれません。
仮にうまくいかなかったとしても、一種の気分転換になります。
そのときむやみやたらにいろいろなことをするより、「これ」と決めたやり方を試すほうがいいです。それは、それまでとは「正反対をやってみる」こと。
「押してダメなら引いてみろ」が、その典型です。押し続けてビクともしなかったものが、引いてみたら、案外カンタンにスーッと動いたというのは、よくあることです。押すよりも使う力が少なくて済むので、余計にカンタンに感じます。
1つのやり方にトコトンこだわるのは、悪いことではありません。自分のカラダになじむほどやっていれば、愛着が湧くし、「これをやれば、大丈夫」という自信が持てるようになります。
あなたにとっては、そのやり方は金科玉条。いつもあなたとともにあったし、これからも同じかもしれませんが、時代も環境も変わります。
またあなた自身も変わります。知力・気力・体力もいつも一定とは限りません。あなたにとって鉄板のやり方がこれからも通用するかと言うと、疑問です。
あなたのことですから、日々、コンディションによってやり方を微調整することはしていたはずです。
今の状況は、とてもそれでは通用しません。抜本的な対策が必要なときです。ここは思い切って、ふだんとは反対のことを試してもいいのではないでしょうか。
それは、それまでのやり方を全否定することではありません。正反対のやり方をしてみることで、視点や発想、カラダの使い方を最適化することです。
反対のやり方を試してうまくいったら、そこにはたくさんのヒントがあります。視点や発想、カラダの使い方を変えていくことで、時代や環境、何より今の自分に合った最適のやり方にバージョンアップさせることができます。