2022.3.9.

あとから価値や利益を得る、、、

「こちらの商品(サービス)には、これだけのメリットがあります」……
 商品/サービスを購入しようとすると、営業や販売の人にこんなふうに提案されることがあります。その言葉にウソ偽りがないとしても、100%真に受けることは感心しません。

別に「もっとよく調べたほうがいい」とか「ほかの商品/サービスと比較検討してから決めるべきだ」と言うつもりもないです。なぜ懐疑的な見方をするのかと言うと、どんなにすぐれた商品/サービスにも最初からメリットがあるわけではないから……。 

確かに提供する側は、顧客に選んでもらうためにたくさんのメリットを織り込んだ商品/サービスをつくっています。販売するほうも顧客に購入してもらえるように、それを熱心にアピールします。

もう1度言います。どんな商品/サービスにもメリットなどありません。こう言うと、混乱する人が続出しそうです。

メリットとは、得られる価値や利益。それは、実際に使ってみて初めて得られるもの。同時に、使う人や状況によっては、手にできずに終わってしまうこともあるもの。

いくらつくるほうや販売するほうが「こんなにメリットがあります」と言っても、購入しない人にとっては豚に真珠。あるいは購入した人にとって使い勝手が悪ければ、やはり捕らぬ狸の皮算用。メリットは、決してデフォルトではありません。

「こういう使い方をすると、ラクになる」「こうやると、スピードがアップする」…… 

むしろ購入したほうが試行錯誤しながら使っていくうちに、だんだんとうまくいくようになって、あとから価値や利益を得ていく――。それが、本来のメリットです。メリットとは、使うほうが自ら工夫して、あとから手に入れるもの。

 使い方は人それぞれ違うのですから、デフォルトとされているメリットを享受できない人もいます。そのことにつくるほう、販売するほう、そして使うほうも気づかずにいます。これは、メリットの盲点。

自ら創意工夫して生み出していくから、あとになってメリットを得られます。そのことを知らないでいる人が多いのは、残念なことです。

あなたは今日、使っているもののメリットを生み出しましたか。創意工夫してラクになったり、スピードアップしたりできましたか?

(朝の独り言☆)
6月学会講演依頼を受けていましたが、感染の状況が必ずしも予想できないことからオンデマンド形式(動画配信)になりましたと連絡がありました。
昨年はお断りしましたが、今年は久々の歯科学会講演ですのでお受けすることにしました。多くの歯科医師が集まる学会ですが、慎重な対応かもしれません。一年を通じての計画を立てる際、歯科医師としての活動、著者としての活動、両方のバランスを考えるようにしています。早く色々なイベントがリアルにできることを願っています。