「前から提案していたキミの企画だけど、役員会で通ったから、やっていいよ」……
自分のやりたいことができる環境が整った――。そういう幸運に恵まれることは、誰にでもあるものです。
不思議なことに、このときすぐに行動できる人と、グズグズして何もできない人がいます。前者は、しっかり準備をしていた人であり、後者は何も準備をしていなかった人。
両者の違いをもう少し掘り下げてみます。それを知ると、準備するとはどういうこたなのかが何かが見えてきます。
すぐに行動できる人は、いつどんなことが起こっても対応できるように事前に準備万端にしています。たとえて言えば、野球の中継ぎピッチャーのようなものです。
中継ぎピッチャーの出番は、いつ来るのかまったく分かりません。出番は、先発ピッチャーの調子次第。
先発ピッチャーの調子がよければ６回とか７回くらいですが、逆にヨレヨレしているようなら３回から４回に出番が早まる可能性があります。
出番を自分で決められないから、いつ来てもいいように早めに準備をしています。
極端を言えば、試合が始まる前から、準備万端です。そうでなければ、急に出番が来ても、いいピッチングができるはずがありません。
試合前には、その日の出番があるかどうかも分かりません。出番のある／なしにかかわらず、準備万端にしておいて、あとは試合の流れに応じて、多少緩めたりムチを入れたりします。
緩めていても、出番が近づきそうならムチを入れて、監督から「行くぞ！」と言われたときには、１００％の状態に仕上げます。急に出番が来ても飛び出せるのが、しっかり準備をすることです。
グズグズして何もできない人は、「やりたい」という気持ちだけは人一倍あったとしても、何も準備をしていない人です。
何も準備をしていない中継ぎピッチャーですから、出番が来ても使いものになりません。試合をぶち壊してしまいます。
いつ何があっても、すぐに飛び出せるようにしておく――。そうした準備をしている人が、突然やってきた好機を活かすことができます。
