目的地に向かって歩いているときに、けもの道のような険しいところ、崖が連なる危険なところに差しかかったとしたら……。
そのまま進むか、引き返すかは、判断が分かれるところです。
「このくらい大丈夫だよ。ここを行ったほうが早い」
このように危険を承知で突き進む人もいます。そのほうが目的地に早くたどり着く確率は、高いです。
その半面、怖い思いもするし、危ない目にも遭います。それが、いわゆる「リスク」です。
リスクとは、通常より何かを多く得られるときに潜らなければいけない関所のようなもの。そこを無事に通過すればより多くのものを得られますが、うまくいかないと、逆に持っているものを失いかねません。
通れるか通れないかを自分で決めることは、不可能。それは、やってみなければ分かりません。自分でコントロールできないだけに、運任せの一面もあります。
「リスクをとる」とは、うまくいかないこともあると当て込んでおくこと。それは、決してキレイゴトではありません。
リスクをとってもいい人には、条件があります。次の3つに当てはまる人です。
まずは万が一、大失敗したとして「損失が発生してもいい」と思える。より多くを求めた以上、返り血を浴びることも出てきます。
次に、その損失処理をしても、路頭に迷ったり破産したりする恐れがない。大損をしても、自分自身がちょっと困るくらいにとどめます。誰かに迷惑をかけるようでは、突き進む資格がありません。
最後に、1度の失敗で挫折することなく、再びチャレンジする。突き進んで失敗したとしても、それは自業自得。
とは言え、それで意気消沈してチャレンジしなくなるようなら、怖い思いをしたり危ない目に遭ったりしたことがムダになります。何回でもチャレンジできる人であるべきです。
この3つを満たせる人だけが、リスクをとることができます。リスクをとるのは、たんに危険なことをすることではありません。実は、もっと奥が深いことなのです。