どこの世界にも、意味も効果もまったくなさそうな作業というものがあります。「やらなくてもいいのでは?」と思いつつも、することが当たり前になってしまって、半ば仕方なくやっています。「やめたい……」と思いながらも、決断できずにいます。
こうして意味も効果もない作業が、代々申し送り事項となっています。
幸か不幸か、あなたがその作業を請け負うことになりますが、すでにさまざまな担当を請け負っています。
それを自分がやる場合、今よりもっとハードワークを強いられます。疲労やストレスまで引き受ける羽目になります。
やってみると、本当に意味も効果もない作業だったことが判明したので、あなたのグチは、止まりません。
職場に新しく人が配属されるまで、あなたのハードワークは、続きそうです。疲労とストレスも、なかなか解消しません。
「ものは考えよう」です。この状況を「自分の仕事全般をリストラクチャリングするいい機会」ととらえると、いいかもしれません。
リストラクチャリングとは、事業の再構築。日本では、とかく人員削減とイコールと思われていますが、それは誤解が広まっただけです。
必要性のなさそうな作業を含めて、本当にやるべきことなのか、そうだとしたらもっと効果が高くなるやり方はないかをゼロベースかつタブーなしに見直していきます。
試行錯誤を重ねながら、やるべきことは、スピーディーかつクオリティーが高いやり方を開発します。
やらなくてもいいことは、実際にやめてみてなんの問題も起きなかったとき、それが実証されます。
リストラクチャリングの結論は、関係者全員にシェアします。ほとんどが「あれはやらなくてもいい」と同意してくれたら、ようやくやめます。
またあなたが編み出した効果的なやり方を「教えてほしい」と言う人がいたら、積極的にレクチャーします。このシェアが大事です。
こうしてあなたが1人で始めたリストラクチャリングが関係者全員に波及して、組織の生産性がアップします。
そのきっかけは、あなたが不本意な作業を押しつけられたこと。やってもしょうがないことを自分の都合だけでやめることはできません。
それが本当に必要ないことを証明しない限り、なかなかやめられないものです。その挙証責任は、あなた自身にあります。