何かに集中して取り組んでいるときは、そのことだけを考えて、ほかのことは一切アタマにはない状態です。もしほかのことがちょっとでもアタマの片隅に入り込んでしまったら、それは注意信号。
その侵入者は最初のうちはアタマの隅っこでおとなしくしていますが、次の瞬間には一気に勢力を拡大していきます。アタマの真ん中にまで進出してくると、取り組んでいたことに集中できなくなり、ペースがガクンと落ちます。
不思議なことに、集中力が切れるときのスピードは想像以上に速いものです。周りの人が気になったり、ちょっとした音をうるさく感じたりして、もはや集中できない状態になってしまいます。
集中を切らす原因は、どこからともなくやって来た侵入者です。それさえなければ、まだまだ集中して取り組めていたはずです。
その正体は、いつも同じではありません。実に多岐にわたっています。多くの人に共通するのは、上司やクライアントからの「どうなっている？」という確認や問い合わせ、あるいは「早くしてくれ」という催促。こうしたプレッシャーは、集中の大敵。
あるいは同僚や部下、後輩からの突然の相談。個人的な悩みごとや心配も、その一種です。
こうしたクセモノたちがアタマの中に侵入してきたら、勢力を拡大するに決まっています。ちょっとやそっとでは反撃できないほど、手強い存在です。
これらの侵入を防止する方法は、１つだけ。それは、事前にシャットアウトしておくこと。アタマには、「出入り禁止」にします。
やることは、至ってカンタン。集中して取り組みたいことに着手する前に、上司やクライアントにはこちらから「１５時までに仕上げます」「１７時には報告します」と事前に伝えるだけ。これで確認や問い合わせ、催促を事前にシャットアウトできます。
同僚や部下、後輩にも「困っていることはない？」と前もって聞いておけば、突然、相談されることもありません。個人的な悩みや心配ごとも、先手を打って解決しておきます。
事前に対処しておけば、クセモノたちの侵入を防ぐことは可能です。それは、自分自身が集中して取り組むためにもしておかなければならないことです。
