何かを始めるとき、多くの人は1秒でも早くできるようになろうとします。「できるようになりたい」から始めたのであり、それはごく自然な感情です。
その気持ちを否定するわけではないですが、急いでできるようになろうとする人には、見えざる落とし穴があります。たとえば、1年でできることを半年で身につけようとするのは、適性がある人なら不可能ではありません。短期間で習得しなければならない事情がある人も、同様です。
決して不可能ではないですが、ムリがありすぎます。必ずと言っていいほど、その反動は来ます。どんなことが起こるのかと言うと、「壁が来る」のも早くなること。
早くできるようになるのは、一気にステップアップしようとすること。上りに行けばいくほど苦しくなりますが、急ぐとその壁が想像より早くやって来ます。
このときスキルがアップしていても、ココロがまだそれに対応できない可能性があります。ココロのほうが慌てててしまって「難しすぎる。まだ半年しかやっていないのに、ちょっとムリ」と、対応できずに壁を超えることを拒否しかねません。
せっかく一気に身につけようとしたのに、ココロの準備ができていないために、壁を超えられずに挫折してしまう……。こういう落とし穴に知らずにはまってしまった人は、少なくありません。
ものごとを身につけるには、スキルだけでなくココロも一緒にレベルアップしていく必要があります。1年でできることを半年で身につけようとするのなら、スキルだけでなくココロのほうもケアして対応できるようにしておくこと。このことは、あまり知られていないことです。
最初から1年かけてやっていこうとすると、スキルはもちろん、ココロもレベルアップにゆっくり慣れていきますから準備も不要。たとえ壁が来たとしても、「1年間やってきたから、大丈夫」と対応できて、案外カンタンに乗り越えられたりします。
何かを身につけようとするときはついスキルアップにばかり関心が集まりがちですが、それが落とし穴。スキルと同様に、ココロのレベルアップにも関心を向けなければなりません。
ココロの準備をおろそかにしては、ロクなことにはなりません。急いで何かを身につけようとするときには、なおさらケアが必要です。
(朝の独り言☆)
新刊の企画が決まりました。中村天風に関する本です。中村天風は、人生哲学の第一人者であり、最近では 大谷翔平も影響を受けた人物の一人として話しています。京セラ創業者の稲盛和夫氏のほか、日本電産の永守重信会長、H.I.S.の澤田秀雄会長兼社長ら、多くの財界人が座右の書として天風の本を挙げており、その世界では有名な存在です。僕も世界中の自己啓発を学んでいく中で、中村天風先生の本やオーディオを聞きました。先生も使命や潜在意識については凄く大切に伝えています。最新刊「信念の奇跡」を読み、私の提唱するライフコンパスにも通じるところがあり、いつか中村天風先生を解説するような本を出したいと願っていました。今回、企画が通りましたと連絡があった瞬間は、まさに潜在意識の力!と思っています。楽しみにしていてください。必ず読んで勇気づけられる素晴らしい本にします。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59201