ラグビーは、前に出ていくスポーツです。とったボールを相手の陣地内に着地させるまで、15人が一丸となってひたすら前進していきます。
相手チームも、みすみすとトライを許すわけにはいきません。前進してきたら、容赦なくタックルしてきてボールを持った選手を潰しにかかります。
自分よりも大きい選手がぶつかってくるのですから、「痛い」に決まっています。常にケガをする危険性をはらみます。
それにひるむことなく立ち上がり、再び前進していきます。再びどころではありません。3たびも4たびも、あるいはそれ以上、倒されても立ち上がってドンドン前に行きます。
激しいタックルをかわしながら、1歩でも多く前に行く。自分が前に進めないときは、味方にパスをして少しでも前に行ってもらう――。
ボールを持った選手が考えているのは、それだけかもしれません。15人全員がそういう気持ちでいるから、トライできるようになります。
人生も、ラグビーと同じようなもの。充実させようと思ったら、ドンドン前に出ていくしかありません。
前に行こうとすれば、当然のようにタックルされることも、またつかまえられて押し潰されることもあり得ます。痛い思いもするし、ケガをすることも「ない」とは言えません。
もっとも、現実の人生で激しくタックルをしてくる人などいません。その代わり、前に進むのを妨げたり立ち塞がったりする存在が出てきます。
それが何かと言うと、トラブルやミス、想定外の事態や災難といったもの。それらをひと言でまとめると、「問題」になります。
前に行こうとすると、そうした問題たちが入れ代わり立ち代わり現れて、進路をさえぎろうとします。
ときにはタックルされたような衝撃を感じることもあるかもしれません。
次々と現れる問題たちをスルリとかわして、前に進んでいく――。誰にとっても、人生とは、そういうものです。
何が現れても、ドンドン前に出ていく――。それが、生きていくということです。