「あなたのベストフレンドは、どういう人ですか？」
こう聞いたら、いろいろな答えが返ってきそうです。おそらく答えは、百人百様。
たとえば、幼なじみと答える人もいるかもしれません。小さいころから自分のことを知っていて一緒に成長してきた相手は、かけがえのない存在です。ベストフレンドと言うにふさわしい人です。
あるいは、学生時代に出会った人。成長期に出会って意気投合した人とは、考え方も価値観も共有することが多いものです。切磋琢磨するにふさわしい相手とも言えます。
なかには職場の同僚、趣味のサークルで出会った人と答える人もいそうです。いずれにせよ、ベストフレンドを見つけられるのは、素晴らしいことです。
それでは、あなたにこう尋ねてみます。ほかにベストフレンドはいませんか。もっと大事な人を忘れていませんか？
こんなことを聞いたら、あなたは困惑するかもしれません。「ベストフレンドなんて、そんなにたくさんいませんよ」とつぶやきそうです。
私はあなたを困らせようとしているのではありません。ただ「本当に大事な人」に気づいてほしいだけです。
それは、あなた。そう、あなたのベストフレンドは自分自身でもあります。
自分自身が、本当のベストフレンド――。いきなりこう言われたら、とまどうかもしれませんが、これは真実です。
自分というベストフレンドは、楽しいときも悲しいときも、いつでもあなたを見ています。成長しているときも停滞しているときも、あなたのそばにいます。
そのベストフレンドは、あなたには何も言わないかもしれません。それでもあなたが頑張っていることは一番よく知っています。あなたの長所も短所も知っています。あなたにとってかけがえのない人であるのは、間違いありません。
その自分というベストフレンドを受け入れたとき、自信を持つことができるし、等身大のあなたを肯定できるようになります。そんなあなただからこそ、自分が「ベストフレンド」だと思っている相手が、受け入れてくれるし付き合ってくれるのです。
自分自身をベストフレンドとして受け入れる――。そういう人だけが、他人とベストフレンドになることができます。
