したくなくても、してしまうもの。あるいは、してはならないときに、してしまうもの……。それが、「ミス」です。
程度の差こそあれ、どんな人でもミスをします。「弘法にも筆の誤り」「猿も木から落ちる」と言われるとおり、名人でもちょっとしたミスをします。
ないほうがいいに決まっていますが、ゼロにするのはほぼ不可能。それでも「ミスをなくす」ことを真剣に目指さないとなりません。
「なくすことができないなら、一生懸命やっても意味がない」……
もしこんなふうに思う人がいるとしたら、とても残念なことです。自分自身の成長の芽を自ら摘んでしまっていることにほかならないのですから……。
ミスをなくすことは不可能。ミスをゼロにするように取り組む……。この2つは、まったく矛盾しません。
たとえなくすのが困難を極めるとしても限りなくゼロにするのは、自分自身の成長にとって必要なことです。
不可能にチャレンジすることで、自分のアタマでものごとを考え、真剣にやるようになります。
ミスはもちろんのこと、取り組むものごとに真剣に向き合って、どうすればミスをなくして完璧に近いカタチに仕上げられるかを考えて、1つ1つ実践していきます。
それは、「ミスをなくそう」と真剣に取り組む人なら誰でも同じです。
どんなに一生懸命考えて真剣に取り組んでも、やはりミスは出てしまいます。それは仕方ないことですが、決してムダではありません。
自分自身では気づかなくても、「ミスをなくそう」と真剣に取り組むプロセスを通じて、日々成長し、また毎日を充実させています。
自分のアタマで考えて真剣に取り組んでいるから、少しずつでも成長します。
もし「なくすことができないなら、一生懸命やっても意味がない」と思って、真剣に取り組まなかったとしたら、相変わらずミスを連発します。
以前より回数が多くなることもあり得ます。それは、自分自身が成長しているのではなく、退化しているからです。
ミスをなくすことは、誰にもできません。だからこそ、限りなくゼロにするために真剣に取り組みます。それは、「限りある生命を一生懸命生きる」のと同じです。