ミスというものは、誰にでもあります。どんな人でも、1日に1つや2つはするものです。
「私はミスなどしない」……
そんなことを豪語する人がいたら、本人がそう思い込んでいるだけです。一種のおめでたい人です。
あるいは、できること、決まりきったことだけを手がけている人。予定調和の世界にいれば、ミスが起こりようがありません。この人はミスをしないのではなく、実はチャレンジしない人です。
ミスをするのが「いい」とまでは言いませんが、そうかと言って、悪いことでも「ない」です。してしまったら、潔く認めること。
このとき気をつけたいのは、「取り返そうとしない」ことです。これは、多くの人が陥りがちな落とし穴です。
特に責任感が強い人ほど、この落とし穴にハマってしまいます。残念かつ悲しいことです。
してしまったミスは、すでに過去のこと。取り返すことは、そもそも不可能です。
それを取り返そうとするのは、やるべきほかのことには目もくれず、手に入りやすい成果を求めることにほかなりません。
要は、成果を出すことで直近のミスの穴埋めをしようとします。
その結果、近視眼的になりがちです。また必要以上に焦ります。
どちらにしても、いいことにはなりません。さらにミスをして、泥沼にハマります。それは、ミスがさらなるミスを呼んだということ。
ミスを取り返そうとするのは、悪いことではありません。ただそのやり方が、ピント外れになっています。
ミスをした人がすべきなのは、1にも2にも成長すること。成長して、今よりも「できる人」になれば、ミスをしなくなります。
ミス自体を減らせます。このほうが、はるかに有益です。
ミスを取り返すただ1つの方法は、成長すること。これ以上、効果的な方法は「ほかにない」と言っていいくらいです。