世の中には、まったく必要のない「ムダ」がたくさんあります。すぐに気がつくこともあれば、反対に勝手に「必要だ」と思い込んで後生大事にしているケースもあります。
ムダは、「ない」に越したことはありません。「必要ない」と気づいたら、サッサとなくすべきです。
とは言え、ムダかどうかは、最初から気づかないものです。これは、大いなるジレンマ。また最初から「これは必要ない」と決めつけてしまうのも、いいことではありません。
必要か不要か……。それが分かるのは、しばらく経ったときです。このことは、どんな仕事においても共通して言えます。
やり始める前は、必要なのか不要なのかが分からないので、モレやヌケがないように、過剰になんでも揃えようとする傾向があります。そのこと自体は、仕方ないことです。「そういうものだ」と割り切るしかありません。
やっていくうちに、必要か不要かが、なんとなくでも分かってきます。この時点で必要/不要のリストができてきますから、「必要ない」と判断したものは物置のようなところへいったん移転させます。
その後、数カ月の経過期間を経て、不要と判断したものが1度も使われなければ、処分してしまいます。なぜなら本当に「必要ない」ものだったから。言い換えれば、ムダだったから……。
繰り返しますが、ムダは最初から決まっているのではありません。それは、どんなものでも同じ。
やっていくうちに初めて、ムダかそうでないかが分かります。それゆえにムダをなくすには、適宜、必要ないものをそぎ落としていくしかありません。それが、最も効果的なムダ排除法です。
最初から「これは必要ない」と決めつけて、最低限しか揃えないのは、倹約しすぎです。
これでは「あるものだけでなんとかする」しかなくなって、本当に必要なものが出てきたときに、あちこちを探し回っていたずらに時間をロスしかねません。
最初からムダをなくそうとすると、こうした残念なことになりがちです。