「あなたにとって、どういう人がお客様になりますか?」
こう聞かれたとき、ほとんどの人が商品・サービスを利用してくれる人を挙げるに違いありません。
あなたが挙げたお客様とは、顧客のことです。その人たちが商品・サービスを利用してくれるから、あなたが生計を立てることができるのですが、実はほかにもお客様とすべき人がたくさんいます。
「あの人かな。この人もそうかも……」と、すぐに思いつくようであれば、言うことはありません。アタマの中に浮かんだ人がお客様なのかどうか、答え合わせをします。
そのお客様とは、ズバリ、職場の人たちです。上司、先輩、同僚、部下、後輩……に至るすべての人が、あなたのお客様。
あなたのアタマの中に出てきた人がそれらに該当するなら、大正解。あなたは、職場で正確でスピーディーな仕事をしているはずです。一緒に働く人たちもあなたと同じように行動して、結果としてそれが高い顧客満足度につながっています。
もし違うようなら、ゆゆしきこと。あなたは、職場では正確でスピーディーな仕事ができていない可能性があります。それでは顧客満足度を高めることが難しいです。
職場の人たちは、一緒にビジネスをする仲間です。同時に、上司部下、同僚、先輩後輩といった役職や立場に関係なく、あなたの仕事の顧客でもあります。
あなたが直接、顧客を相手にセールスしたり交渉したりしていても、1人で何から何まですべてやるわけではありません。
商品・サービスの制作や発注、管理などでは、上司、先輩、同僚、部下、後輩といった人たちが深くかかわっています。この人たちがいなければ、顧客のもとに商品・サービスをお届けすることができなくなります。
あなたにとっては、大切な顧客のために仕事をしてくれる上司、先輩、同僚、部下、後輩もまたお客様です。
この人たちが顧客のために動いてくれるように、あなたもおもてなししなければなりません。それはおもねったりへつらったりすることではなく、顧客のように真摯に対応していくべきだということを意味しています。
あなたが、上司、先輩、同僚、部下、後輩をお客様と思えば、この人たちもあなたを顧客と見なすようになります。
お互いにお客様という関係になって、あなたを中心とするすべての人が、正確でスピーディー、かつ顧客満足度の高い仕事をしていきます。一緒に働く人をお客様にすると、本当の顧客満足度を実現できるようになります。