2017.10.24.

人が注目しないところを見る・・・

「あの人は目のつけどころが違うね」
斬新なアイデアを出したり、多くの人が思いもつかない行動に出たりする人は、よくそう言われます。アイデアマンや、ヒットメーカー、立志伝中の人が、それに該当します。

 実際にこういう人たちの目が、アタマの上についていたり、顔の横に会ったりするのではありません。あくまでも目は、顔の真ん前、眉と鼻の間に位置しています。

目のつけどころが違うというのは、ほかの人には見えないものが見えるということでもありません。アイデアマンや、ヒットメーカー、立志伝中の人たちは、透視力や千里眼を持つ人でもないです。

この人たちは、ただ多くの人が見逃しているところをしっかり見ています。ほとんどの人が見向きもしないところを注目しています。

「これは検討するに値しない」「こんなものは受けないよ」「あれは論外だよ」……
ほとんどの人がスルーするか歯牙にもかけないものを子細に検討して、その本質を追求していきます。もっとも、そのすべてが優れものではありません。

確率的には、十中八九が、淘汰されるべきものです。それでもまれに1つか2つ、掘り出しものが残っていたりします。それは、ほとんどの人が「価値がない」と、見逃してしまったものです。

言ってみれば、ゴミの山から宝を発掘するようなものです。そうした多くの人が見向きもしないところから掘り出しものを見つけてくるので、悔し紛れに「目のつけどころが違う」と言っているにすぎません。

あるかどうか分からないところから掘り出しものを探り出すのですから、目のつけどころが違う人は、手間ヒマをかける人です。ゴミの山から宝を探すという泥くさいことをする人であり、そういう作業をイヤがりません。

逆に言うと、多くの人が「あんなものはダメだよ」と思っているところに、商機/勝機を見出そうとします。スルーしたり無視したりする人が多ければ多いほど、「あそこには何かあるかもしれないぞ」と活気づきます。実際に掘り出しものを探り当てて、見逃した人を悔しがらせます。それは、自分がスルーしてしまったものだから……。

目のつけどころが違う人は、何も特別なことをしていません。ただ誰も注目しないところをしっかり見ているだけです。

(朝の独り言☆)
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