新しいことを始めたり、自分にとってレベルが高いことに挑んだりしたときは、期待と不安が入り混じっています。むしろ「不安のほうが大きい」くらいです。
そもそも何をしたらうまくいくのかが、分かりません。またいつになったらうまくいくのかも、不明です。
何が奏功するか分からないので、試行錯誤の連続。とは言え、最初のうちは「やってみては、うまくいかない」ことの繰り返しにならざるを得ません。
うまくいかないことが続くと、落ち込んだり辟易したりしますが、前に進んでいくしかありません。相変わらず、暗中模索が続きます。
それでもやり続けると、少しずつ状況が変わってきます。おぼろげながら「こうやれば、うまくいくのではないか」というきっかけをつかめます。
なんの根拠も、また確実性もないものですが、何1つ頼りになるものがない状態では、それにすがるしかありません。「こうやると、うまくいく」を試していって、少しずつ改善しながら、その精度を上げていきます。
少しずつ確実性を上げていくと、そのやり方が徐々にうまくいくようになってきます。それは、再現性が上がったということにほかなりません。
暗中模索を脱して、はるか先にひと筋の光が見えた状態です。ようやく期待のほうが、不安より大きくなります。
こうなると、行動が加速します。不思議なことに、「こうすると、もっとうまくいく」というアイデアも次から次へと出てきます。
改善に改善を重ねて、確実性は増す一方。「もう少しでうまくいく」という状態にまでたどり着きます。
もっとも、長いのはここから。
本当の試行錯誤は、「もう少しでうまくいく」状態から始まります。何百、何千と試したあとに、ほぼ100%再現性があるやり方を身につけなければなりません。「もう少しで手が届くのに」という状態が始まります。
ここからさらに何千、何万という試行錯誤を繰り返した末に、再現性のあるやり方を見つけることができます。
逆に、何百、何千という試行錯誤しかしなければ、再現性のあるやり方にたどり着くことはできません。
試行錯誤とは、最後まで続けるもの。何万回もやるのが、本当の試行錯誤です。